[Mac]

全ては P になる / 2006-07-03 (月)

私としては当たり前なので気にとめたこともなかったのですが、案外知らない人が多いというか、言うと驚かれることに「Mac OS X では、印刷可能なものは全てPDFにできる」って事があります。先日も、MacBook の購入相談しているときにぽろっと言ったら軽く驚かれましたし。

いや、だって、NeXT の時だって「印刷可能なものは全てEPS ファイルにできる」でしたので...、考えてみればこれは当たり前。なんせ表示系に DisplayPostScript を使っていたので、ウィンドウの描画のために WindowServer に送った DPS コードをまとめてしまえば EPS になっちまうからです。

Quartz もなんだかんだいいつつそうなっている、そう、Quartz の命令は PDF のコマンドに対応しており、それを集めれば PDF になるっていう建前ですので。

故に、Mac OS X も NeXTSTEP も本当の意味での WYSIWYG に極めて近いものになってます。完全ではないのは、72dpi ではない、つまり画面の方が若干縮小されて表示されるから、です。 でも、旧MacOS や Windows の用に、プリンタやアプリによって表示と印字が大きく狂うことはないです。(旧MacOS はかなりマシですが、それでもQuickDraw と PSの違いで狂うことはありました。)

この dpi についても、そもそも 72dpi で画面表示するとかなり汚いのですよね。Macintosh Bible という、KT7 以前の Mac 界隈では名著とされていた本でも、(正確な文言は忘れたけど)TIPS として「画面のdpi を高くすると綺麗になる」とか「Windows は 96dpi が主体で綺麗なのが利点」とか書かれてますし。そもそも Windows と Mac は世界が離れてたからそこまで仲が悪かった訳じゃないのよね。私的には、悪くなったのは 90年代前半、Win3.1が成功してKT7前後でばたばたしてた頃から、そして Windows95 がでて MacOS の利点(InternetMagazine の古いのを探せば分かるように、「とりあえずインターネットに繋ぐならMacの方が楽」というぐらいの利点はあったのだ) が何一つなくなってから、ですかね。まったくもってルサンチマンの塊です。

でも、プリンタは数百dpi が普通で、数千dpi だって存在しない訳じゃない。プリンタで dpi が大きくなってもサイズが崩れないのに、画面表示が 72dpi でないとサイズ比が狂うのは、表示するものの中には「比率にあわせて表示を調整できない」ものがある、ドットの数でサイズを決めているところがあるからです。つまりはビットマップフォント(など)が諸悪の根源なのです。

なぜビットマップフォントが 72dpi でないといけないかというと、そもそもパソコンの絡まない、古来からの印刷世界で1ポイントはだいたい 1/72 inch と定められており、1ポイントを1ドットにしてパソコン向けフォントを作ると手っ取り早かった、都合が良かったから、なのです。

QuickDraw のフォントは、TrueType が導入されるまではビットマップに依存してましたから 72dpi の縛りがあり、NeXTSTEP は DPS のおかげで自由度はあったものの、当時の処理能力ではビットマップフォントをある程度表示に使わないと速度が保てなくって、NeXT 一つのためにチューニングされた 96dpi のビットマップフォントなんて用意されるはずもなくやむなく 72dpi な従来のビットマップフォントが埋め込まれた PS フォントを使うことになり、Windows はそもそもそんな細かいこと考えてなくて (^^;、でもって TrueType が導入されて以降の Mac も、旧来の QuickDraw との互換性もあってなかなかすぱっと変えることができませんでした。

しかし、今では何ドットで何インチかを気にしなくて済む、ベクタフォントが主流になっておりアンチエイリアシングも十分になり、それをぶん回す CPUパワーもグラフィック周りの機能もそろっているのだから、Leopard あたりで解像度非依存、つまりどんな dpi のモニターに対してもサイズが正確になるのも不可能じゃありません。

実際、QuartzDebug をみると分かるように、Mac OS X はすでに dpi を変えれるようになっているのですよね。試しに 100 いくつかのdpi にしたら、画面上の1cm が現実の1cm とぴったりマッチする、正確な表示が行われました。しかし、いまだ QuickDraw に頼るアプリがあったり、画像を綺麗にリサイズできなかったりというのがあり、現時点では実用的じゃないのですがね。

ただ、Tiger になって QuickDraw は obsolate になっておりますし、アイコンのマルチサイズは Dock などですでに実現してます。Leopard で解像度非依存の、どんなときでも画面上のサイズが実寸と合う GUI を打ち出してきても不思議じゃありません。要素技術は既に揃っているのですから。

この解像度非依存と、ColorSync による色補正がそろって、そう、やっと、本当の意味での WYSIWYG が手にはいるのです。

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